自動引落や給与振込、預金残高は銀行カードローンの審査に有利?
2017/02/07
銀行のカードローンの審査についてよく言われているのが「給与振込実績があれば審査に通りやすくなる」とか「預金残高があれば審査に通りやすくなる」といった話です。銀行側は収入の事実を把握しているので審査に有利に働くようにも思えます。また、預金は資産の一つなので評価があがる要因にもなりそうな気もします。実際のところどうなのでしょうか。
※今後、個人向けローンサービスは審査手法が大幅に変わってくる可能性が高くなります。以下は従来型の審査に関する内容です(2017年2月追記)。
口座不要の意味を考えてみる
一部銀行のカードローンのパンフレットやサイトの案内には「当行に口座をお持ちでないお客様もお申込みいただけます」という文言が書かれていることがあります。
カードローンに力を入れている銀行の場合、口座開設をしていなくてもカードローンの契約をすることが出来ます。実はここにヒントがあります。
ぱっと思いつくのが、口座を持っていない層にも訴求しているんだなという見方。
確かにその通りでこれも理由の一つです。
以前はカードローンの返済は銀行の口座から引き落とす方式が主流でしたので口座開設がカードローン契約の条件だと思っている方も多数います。こういったこれまで取引のなかった層もカードローンをきっかけに何らかの取引をしてもらおうという意味合いも含まれています。
取引履歴はそれほど重要ではないということ
内部的な事情を踏まえると少し違った見方も出来ます。
銀行口座は資金決済の履歴を積み重ねるところです。それがいらないということは、カードローンの契約審査においては取引履歴はそれほど重要ではないということです。
給与振込みがあればお金の入りの部分の裏付けになるので、これを評価するならば、プラスに作用することは確かです。しかし、大部分の銀行カードローンの契約審査においてはそれを評価項目には加えていません。
カードローンによっては「xx万円までは収入証明不要」と書かれている意味も加えて考えていただければ分かりやすいかと思いますが、ある一定の極度額(限度額)以下の場合はお金の入りの部分の裏付けをしてもしなくてもリスクは変わらないというリスク評価上の統計があるためわざわざ評価の対象には加えていないのです。カードローンの場合、最初はそれほど大きな額で契約するわけではないので、出の部分の裏付け―具体的には信用情報の評価で事足りてしまうのです。
カードローンの「口座不要・収入証明不要」の持つ意味は、申込みに手間がかからないという訴求が出来るマーケティング的な意味合いもありますが、むしろこの統計的な裏付けの意味合いの方が主たる理由といっていいかもしれません。
給与振込は全く評価されないのか
銀行カードローンの場合、実質的な審査を行っているのは保証会社です。
申込みの時に確認と同意を求められる「個人情報共同利用に関する同意書」には、預金口座の取引情報に関する規定が書かれていません。申込時に記入した情報や信用情報機関に照会をした情報、契約後の取引履歴は保証会社との共同利用の範囲に含まれますが、預金口座の取引情報は共同利用の範囲外です。
つまり、保証会社は給与振込実績などを加味することなく審査を行っているということになります。
保証会社は、申告または収入証明に記載された収入、信用情報機関に登録された情報、保証会社の持っている過去の取引履歴等の情報を元に審査を行います。
今後、給与振込や自動引落実績も審査で利用するローンは出てくる
現時点では、主に信用情報機関に登録された過去のローンやクレジットカード等の取引履歴に重点をおいて審査を行っています。しかし、今後銀行口座の取引履歴を審査対象にしたローンが登場してくることはほぼ間違いありません。
最近よく耳にする「ビッグデータ」という言葉 ー 給与振込情報や自動引落の情報もこのビッグデータの一つです。これらの情報を審査に利用することでより精度の高い審査が出来るようになるので、上記のような従来の審査とは別にビッグデータを活用した新しい審査を選択できるようになると思われます。
途上与信でも評価されないのか
契約審査に通って実際にカードローンを契約しても定期的に審査を行います。これを途上与信といいますが、途上与信においても重要なのは信用情報とカードローンの利用実績です。
銀行カードローンの場合、この途上与信を行うのも実質的に保証会社です。
途上与信では契約を継続するかどうかということに加えて、極度額(限度額)や金利といった契約内容にについても改めて審査を行います。特に申し出がない限り信用情報と利用実績に基づき機械的に極度額と金利が決められます。
給与振込口座限定カードローンはどうなのか
銀行の中には給与振込者限定と銘打ったカードローンを取り扱っていることもあります。この場合であっても契約審査において重要なのは信用情報です。審査に通りやすいかどうかということとは別です。一般のカードローンに比べて金利の面でメリットがあるカードローン商品です。
預金残高は評価されるのか
それでは預金残高はどうかというとこれも審査において有利に働くことはありません。
企業向け融資の審査では預金の平均残高(平残)も査定項目の一つです。しかし、カードローンの審査ではそこまで細かい審査をすることはありません。
銀行は基本的に現金を評価しない
おかしな話かもしれませんが、銀行は現金を扱う仕事ですが現金を信用していません。
現金は資産評価としては現金の額そのままですが、それが信用の評価になるかというと必ずしもそうではありません。資産には不動産や株式や債券といった有価証券などがありますが、その中でも現金は最も流動的な資産なので信用評価の材料としては最もあてにならないのです。
定期預金口座の自動貸付のように現金を担保にして貸し付ける場合は別ですが、個人向け融資の場合、現金資産そのものを融資の審査で信用の裏付けとなる資産として評価することはほとんどありません。
審査と給与振込や預金残高は別
給与振込みや預金残高は金利や手数料といった契約後のサービス面でプラスになることはありますが、契約審査そのものとは別だとお考えください。
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