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銀行カードローンも総量規制?金融庁実態調査に着手。多重債務問題が再燃すれば規制もあり得ます。

2017/05/12

銀行の消費者ローン貸付残高が急増している。5年間で1・5倍超となり、2015年には消費者金融などの残高を抜いた。多重債務問題で消費者金融の貸出額には制限がつけられたが、銀行は対象外。日本弁護士連合会は過剰な貸し付けへの規制を求め、金融庁は実態調査に乗り出した。

貸付残高は15年3月末に約4・6兆円と、消費者金融など(約4・5兆円)を抜いた。16年3月末は約5・1兆円と、約4・4兆円の消費者金融などとの差を広げている。

朝日新聞2016年12月19日の記事からです。
カードローン利用者の方には他人事ではないニュースになる可能性があります。

なぜなら、金融庁の調査結果次第では銀行のカードローン事業が一変するかもしれないからです。これから銀行のカードローン事業がどう変わっていくのかについて考えてみたいと思います。

なぜ貸金業者だけが総量規制の対象となり、銀行は対象外だったのか

まずは記事中にある「消費者金融の貸出額には制限がつけられた」と書かれていますが、正確には消費者金融だけではなく信販会社クレジットカード会社等も含めた貸金業者の貸出額に制限がつけられています。この制限のことを総量規制といいます。

総量規制について詳しくは下記をご覧ください。

総量規制とカードローン
総量規制とは、改正貸金業法に基づき2010年に導入された過剰貸し付けを抑制することを目的とした規制で、「貸金業法」対象業者からの借入総額を原則年収の三分の一を上...

この総量規制、銀行は対象外となっているため銀行に貸出の制限はありません。

総量規制が導入された背景には複数の金融業者から返済能力以上の借入を行い生活に支障をきたす多重債務問題が社会問題化していたことが挙げられます。

総量規制を導入するにあたって、規制をするからには全ての金融業者からの無担保の借入(キャッシング)を対象にすべきという声も一部の弁護士等からあがっていましたが、貸金業者からの借入だけが規制されることとなりました。

その理由は主に3つあります。

  • 「多重債務=クレサラ問題」という認識があった。
  • 貸金業法改正の中で総量規制の議論が行われたから。
  • 銀行は消費者金融に比べ個人向け無担保融資を行っていなかったから。

これら3つの理由のうち最も大きな要因は「銀行は消費者金融に比べ個人向け無担保融資を行っていなかったから」です。当時から銀行カードローン(キャッシング)は存在していましたが、どの銀行も現在ほど拡販に力を入れておらず消費者金融に比べると日陰の存在でした。

ざっくり言うと「目立たなかったから規制の難を逃れた」といってもいいでしょう。

その後グレーゾーン金利の撤廃に加え過払い金返還により多くの貸金業者が経営状態悪化により貸出し余力を失っていく中で、それにとってかわる形で銀行カードローンが急速に貸出残高を増やし2015年には貸金業者と銀行の貸出残高が逆転するに至りました。その差は今後ますます拡大していく見込みです。

そして銀行カードローンに関しては特に何の議論が行われることなく来ましたが、冒頭の引用記事のように銀行カードローンに関しても実態調査を求める声があがり金融庁が調査に着手したというわけです。

そこでまず、なぜ銀行カードローンの実態調査を求める声があがったのかについて触れていきたいます。

「多重債務者は年々減少している」という統計が本当かどうかが分からない


金融庁は貸金業法改正後の動向を把握するため毎年多重債務者の調査を行い統計をとっています。

統計では年々多重債務者は減少しており、自然人(個人)の自己破産件数もここ2-3年は減少幅が鈍化してきているものの一貫して減少しており、「貸金業法改正は成果をあげている」というのが金融庁の見解です。

ちなみに、多重債務者とは「5件以上の借入件数がある者」と定義されています。

以下の表は金融庁が多重債務者の実態調査に使用している統計です。出典は個人信用情報機関の一つである日本信用情報機構(JICC)が登録情報を元にまとめたものです。

5件以上無担保無保証借入の残高がある人数及び貸金業利用者の一人当たり残高金額

5件以上(万人) 3件以上(万人) 平均借入残高(万円)
H19.3末 171 443 116.9
H20.3末 118 378 106.6
H21.3末 73 319 95.7
H22.3末 84 374 79.7
H23.3末 70 331 67.1
H24.3末 44 257 59.0
H25.3末 29 211 54.8
H26.3末 17 159 52.6
H27.3末 14 140 52.4
H28.3末 12 130 52.6

「金融庁さんのおっしゃる通り多重債務者は着実に減少しています。いやなんとも素晴らしいですね。」-と言えるといいのですが、この統計にはちょっとしたアヤがあります。

金融庁は銀行カードローンの貸出実態を把握していない

統計のタイトルを見てお気づきになられた方もいらっしゃるかもしれませんが、この統計は「貸金業者」からの借入を対象とした統計で、銀行からの借入は含まれていないのです。

貸金業者の契約人数・貸出残高ともに年々減少しているわけですから、それに沿うように多重債務者の数が減少していてもそれはごく自然なことで、当たり前といえば当たり前の話です。

一方、銀行の貸出残高は2015年に貸金業者を逆転して今や無担保無保証融資の大きな部分を占めており、貸金業法が改正された2006年当時とは大きく事情が変わっています。

銀行からの借入が含まれていない統計で多重債務者の実態調査を行うのはいくら何でも無理があります。

では、銀行カードローン利用者の一人当たりの借入件数と平均借入残高はどのくらいなのかというと、実は分かっていません。貸出総額については日銀が統計を取っているので明らかになっていますが、件数や平均残高までは調査が行き届いていません。

そのため今回初めて金融庁が銀行カードローンの借入件数や借入平均残高の調査に着手するに至ったのです。

金融庁の調査で銀行カードローンはどうなる?

金融庁が調査に着手したからといって直ちに何かしらの影響が出てくるわけではありません。しかし、多重債務問題が再度問題視された時は話が変わってきます。

仮に現在の多重債務者の統計に銀行カードローンも加えて数字を出し直した時に多重債務者が増加傾向にあると認められた場合、銀行に対しても規制を求める声が出てくるでしょうし、金融庁側も何かしらの対応を迫られることになります。

貸金業者と銀行を合わせたカードローンやキャッシングの貸出残高は10兆円を超え年々増加傾向にあります。

貸出残高が増えること自体は何の問題もありません。これまでカードローンを利用してこなかった層に商品の魅力を訴求できた結果とも言えますし、保証会社である消費者金融や信販会社の経営体力が回復してきた結果とも言えます。

しかし、自己破産の減少件数が鈍化してきたことを踏まえると実態として多重債務状態に陥っている人が増えてきているのではないかという指摘も弁護士グループ等から出されているため、多重債務者問題が再燃する可能性も否定できません。

※自己破産者は増加に転じました。

自己破産件数13年ぶりに増加。銀行カードローン規制で問題が解決するのかという話。
少し前に銀行カードローンにも何らかの規制がかかる可能性が出てきたいう記事を投稿しましたが(「金融庁銀行カードローンの実態調査に着手」)、銀行カードローンにも...

これに対し全国銀行協会は政府懇談会で「貸倒率は3%から2%に減少しているので問題はない」との見解を示しています。

多重債務者数が増加に転じていた場合銀行はどう対応する?

もし仮に金融庁が現在多重債務者が増加傾向にあるという報告をまとめたとすると、銀行側は法律による規制を防ぐため業界団体である全国銀行協会が主導する形で自主的に貸出し指針の策定に動き出す可能性が高くなります。

全国銀行協会とは全国の銀行が加盟する民間の業界団体ですが、金融庁の指導監督のもとで全国の銀行を統括している組織です。全銀協で定められたルールは「第二の法令」とでもいうべき拘束力をもっています。

指針を策定した時に盛り込まれる可能性の高い規制基準として以下の3点があげられます。

  • 契約時借入件数審査の導入
  • 収入確認の厳格化
  • 与信厳格化による極度額の抑制

まず借入件数の規制です。

貸金業者は総量規制で貸出額を規制されましたが、銀行側は総量規制のような「金額の規制」を回避するために借入件数を自主的に規制してくるものと思われます。

件数を規制すれば「多重」の発生は回避できますし、現在でも一般に借入れ件数が3件を超えると契約審査自体が厳格になるため契約時の借入件数規制を導入したとしても業績への影響は無視できる範囲にとどまると考えられるからです。

ただ、総量規制そのものを導入するとなると、銀行のみならず消費者金融、信販業界も巻き込んで蜂の巣をつついたような状態になるでしょうから、実際に件数や貸出額の部分で規制が行われるとすると、貸金業法で保証の上限を定めるところに落ち着くような気がします。

次に収入確認の厳格化です。

現在銀行は貸金業者のように借入額によって収入証明の審査が義務付けられているわけではありません。そのため銀行によって収入証明を求める契約額に違いがあります。これを業界の指針で決めておけば、自主的に過剰与信の規制をしているというポーズにはもってこいです。

そして最後に極度額の抑制です。

具体的に「年収の〇%以下とする」という基準を自主的に定めることは業績への影響も大きいためないでしょうが、努力目標として「契約者の収入・借入状態を審査し適切な与信を行う」といった文言が盛り込まれるはずです。

銀行は規制が議論されはじめると先に手をうちます。

銀行は規制が議論され始めた場合、結論が出る前に動き出します。現時点では金融庁が調査に着手した段階ですが、政府懇談会で規制の議論が具体化してきた時点で全銀協の指針策定を待たずに各銀行の判断で与信の厳格化、つまり、契約や増額の審査を厳しくしてくるでしょう。

そうなると新規借入れが出来なくなったり、あるいは、契約更新が出来なくなる人が出てくる恐れがあります。

追記:全銀協は業界ルール策定を決定しました。

全銀協は、自主規制指針の策定を決定しました。

(参照:日経新聞2月21日配信

指針の内容は3月中に発表される見込みですが、おおむね上に挙げたような与信厳格化を柱としたものです。

指針に拘束力はありませんが、全銀協加盟各行は原則的に指針に沿った営業活動を行いますので、今後新規の借入や契約の更新の際には影響が出てくるものと思われます。

詳細は全銀協が指針を発表した後に改めてまとめたいと思います(2017/2/22)。

与信の適正化という指針が示されました。

<2017.4.10追記>

銀行側は与信の適正化、広告の規制などを柱とした自主規制ルールを策定しました。与信の適正化といっても、貸金業法のような具体的な数値が決められているわけではありません。実際どのように営業していくかは各銀行の判断に委ねられますが、私個人の見立てとなりますが、収入に対する借入額の審査(借入比率)を厳格化していくところが増えてくるのではないかと思います。

規制が直撃したときチャリンカーの脱輪死は貸金業法改正の比ではない

貸金業法が改正され総量規制が導入された時も新たに借り入れが出来なくなる融資難民や自己破産急増の話がしきりと取り上げられていました。

結果として融資難民は大発生したものの、自己破産の急増という事態は回避できソフトランディングに成功したわけですが、もし仮に銀行カードローンにも総量規制が導入されたとすると自転車操業でやり繰りしているチャリンカーは前回のようにうまく生き残れない可能性が高いと思います。

なぜなら、銀行カードローンには過払い金がありません。

貸金業者、主に消費者金融の借入で自転車をこいでいた人たちはグレーゾーン金利部分の過払い金で助かった人も多かったのではないかと思います。

もしカードが利用停止となり新たな借入が出来なくなった時はあっけなく脱輪してしまいます。そうなると、任意整理をして地道に返済だけを続けていくか、現在の借入額を減額するには自己破産か個人再生しかありません。

誤解が生じないように付け加えておきますが、破産や個人再生はほめられたことではありませんが、必ずしも悪いことではありません。「信用」という点では返済が行き詰って延々と滞納を続けるよりはダメージをはるかに低く、かつ、短期的に抑えられます。滞納の信用情報は滞納を続ける限り一生ついてまわりますが、自己破産や個人再生をしたとしても5年もすればきちんと信用回復の途は開けきますから、クレジットカードを持つことは出来るようになります。

もし脱輪しそうな方は、「長々と滞納を続けてはいけない」ということだけは頭の片隅にとどめておいて下さい。

無理なくカードローンを利用していれば何の問題もありません

仮に何らかの規制が導入されたとしても、無理のない範囲で利用している人には何の影響もありません。

しかし、現在自転車をこいでいるチャリンカーの方は、規制の衝撃に備えて借入件数の削減等具体的な対策を講じておくか、対策が難しい場合は心の準備だけはしておいた方がいいかもしれません。突然脱輪するのと、想定しつつ脱輪するのとでは精神的ダメージも随分と違ってきます。

現時点では調査に着手した段階なので、何の動きもありませんが、銀行カードローンにも将来何かしらの貸出し規制が導入される可能性は否定できません。調査結果は2017年度中に出される見込みなので、関心のある方は金融庁の広報をこまめにチェックしておきましょう。

金融庁は当面の法規制は行わない方針です

<2017.4.10追記>

全銀行の規制指針を受けて、金融庁は当面総量規制をはじめとする銀行カードローンの法律による規制は見送るようです。ただ、実態として銀行カードローンが貸金業法の規制趣旨を潜脱する手段として利用されているという声が高まってきた時は何らかの対応を迫られる可能性は依然として高いままですので、いずれにせよ、借り過ぎている方、返済に行き詰っている方は早め早めに対処する必要があります。

早めに手を打っておいた方が、その後の生活再建や信用回復もそれだけ早くできるようになります。

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