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自己破産件数13年ぶりに増加。銀行カードローン規制で問題が解決するのかという話。

2017/09/08

少し前に銀行カードローンにも何らかの規制がかかる可能性が出てきたいう記事を投稿しましたが(「金融庁銀行カードローンの実態調査に着手」)、銀行カードローンにも貸金業者同様の規制がかけられることが現実味をおびてきました。

その理由は、表題の通り自己破産件数が13年ぶりに増加に転じたからです。

 個人の自己破産の申請が2016年に前年比1.2%増の6万4637件となり、13年ぶりに増加したことが10日、最高裁の統計(速報値)で明らかになった。自己破産はこれまで、消費者金融などへの規制強化で減少が続いてきた。増加に転じた背景には、無担保で個人に融資する銀行のカードローン事業の急拡大があるとみられる。
 個人の破産申請は、1990年代後半に急増。03年に24万2357件まで達した後、翌年から15年までは12年連続で減少した。時事通信2017年2月10日配信から引用)

上記引用記事では「銀行カードローンが原因ではないか」という指摘がなされていますが、確かに銀行カードローンにも問題があります。しかし、近年の破産者の属性を分析してみると、従来とは違った自己破産の実態が浮かび上がってきます。

「破産といえば借金、借金といえばサラ金」と結び付けてしまいがちですが、破産者数の増加が果たして本当にカードローンが原因なのかという点についてう少し掘り下げてみたいと思います。

銀行は過剰融資状態に陥っているのか?

2015年、個人向け無担保無保証融資(キャッシング)の貸出し残高が銀行と消費者金融などの貸金業者が逆転するに至り、消費者金融市場において銀行の存在はますます大きくなっています。

そのため、昨年、日本弁護士連合会は銀行に対し、貸金業法の趣旨に則り総量規制をはじめとする貸金業者に対して課せられた規制を銀行も遵守するよう求める意見書を提出し、多重債務問題を検討する政府懇談会でも、弁護士会を代表して新里宏二氏が銀行カードローンに対する規制を求める意見を陳述しています。

まずは銀行カードローンの実態について簡単に触れておきたいと思います。

銀行の無担保無保証融資には伝統的な審査基準がある

個人向けの無担保融資を行う際に重視される審査基準の一つに「無担保借入比率」あるいは「無担保比率」という基準があります。収入に対して無担保の借入れがどの程度あるのかを審査する際に用いられる基準です。

例えば、三井住友銀行のフリーローンの場合、「本ローンを含めた無担保総借入額が前年度税込年収の50%以内」と商品概要に明記されているように、収入に対して借入れがどの程度あるのかが必ず審査されます。

詳しくは以下をご覧ください。

カードローンの利用限度額はどうやって決まるのか
カードローンの案内を見ると最大利用限度額が300万や500万、さらに大型のものになると1000万まで可能と書かれているものもあります。大きな枠がほしい借り手にとっては...
長らくほとんどの銀行では無担保借入比率30%程度がリミットとして機能していました。

この数字はリスク評価に基づいた統計的な基準です。住宅ローンの場合も収入にもよりますが返済比率30-35%が審査の際に意識されますし、貸金業法における総量規制も借入れは年収の三分の一までとなっているので、この数字には一定の合理性があります。

もっとも、収入が多くなれば返済余力も高くなるため無担保比率もそれに合わせてスライドしていきますので30%という数字は収入次第で上にも下にも変動します。平均的な収入であれば30%程度となり、必ず30%というわけではありません。

先ほどあげた三井住友銀行のフリーローンでは借入比率が「年収の50%以内」となっていますが、年収に関係なく50%が上限なのであって、年収200万円の方が年収の50%まで借り入れられるのかというと審査の常識に照らして考えると十中八九無理でしょう。

ところが近年、一部の銀行ではこの伝統的な基準以上の額を当たり前のように貸し出すようになってきています。

ひどい銀行になると収入の裏付けを全くとらなかったり、年収と同額かそれ以上の額を無担保で貸出すようなところまであります。

こういう銀行に比べれば、消費者金融や信販会社の方が借り手のことも考えた健全な貸出しをしています。

このような事情があるため、政府懇談会で弁護士会や司法書士会の出席者が指摘するところの「銀行カードローン問題」というのは確かにその通り存在するのです。

なぜ銀行カードローンの攻勢が起こるのか

銀行がカードローン事業に積極的な理由はノーリスクハイリターンで貸せば貸すほど儲けが出るからです。

万一焦げ付きが生じても保証会社に元本と利息を請求すれば済む話なので、銀行は自分の懐がいたむことはありません。

銀行は保証会社に保証料を支払いますが、保証料率は2-8%程度が相場です。仮に実質年率(金利)15%で貸出したとすると保証料率を差し引いた10%程度が銀行の取り分となります。マイナス金利のこの時代、ノーリスクで10%前後のパフォーマンスで運用できる商品はありません。

そのため銀行は集客だけを行い、与信や回収といったカードローン事業の肝となる業務は保証会社に丸投げしているといってもいい状態です。

ある銀行のカードローンに申込みをすると銀行のサイトと同じデザインになっているためぱっと見区別がつきませんが、保証会社の所有するサイトにすっ飛ばされ手続きが進んでいきます(笑)。

誤解の無いように付け加えておきますと、保証会社のサイトに飛ばすその銀行は利用限度額の増額には厳しい銀行ですから、過剰与信という点に関しては私が見聞きする限りセーフだと思います。

丸投げすること自体は業務分担をしているだけとも言えるので、それ自体に問題があるとは思いません。

しかし、一部の銀行では保証会社に丸投げできることをいいことに、相場よりも高い保証料を負担してまでも、保証会社が保証さえすれば無条件で貸出す過剰融資・過剰与信と批判されてもおかしくない営業をしています。

こういうサイトを作っておいて言うのもなんですが、現状野放しのままがいいとは思っていません。何らかの規制強化は必要なことだと思います。

破産件数増加の原因が銀行カードローンだと断じることは出来ない

しかし、自己破産件数の増加が冒頭時事通信の記事の指摘するように銀行カードローンが原因だと断じるのは早計だと言わざるを得ません。

日弁連の資料から読み解く自己破産の原因

日本弁護士連合会が2-3年に1回、自己破産者や個人再生者の属性や原因などを詳しく分析した「破産事件及び個人再生事件記録調査」という調査報告を出しています。
最新の調査は少々古く2014年版になりますが、その統計をみると一見すると攻勢著しい銀行カードローンではない、別の破産者数増加の原因が見えてきます。

その原因は以下の2つです。

  1. 高齢破産者の増加
  2. 住宅ローンが原因となる破産の増加

高齢者の破産者数が増加していること


破産者を年齢層別に分類すると、最多層は40代となっていますが、ここにきて60代70代の破産者が増加傾向にあることが分かります。

最近、東洋経済やプレジデントなどの経済関係の雑誌をぱらぱらとめくっていると「老後破産」という記事を目にする機会が度々ありますが、老後破産は数字の上でも見て取れる社会現象となっています。

高齢者の占める割合は今後も増加していくものと思われ、今回自己破産者が増加に転じた原因の一つとして考えられます。

高齢者の破産は健康状態の悪化や年齢による失業が原因となっているとみられるため、必ずしも過剰与信や過剰融資が原因であるとは限りません。その証左に、負債額が100万円未満の破産者の割合が年々増加傾向にあります。

20-30代の破産者が増加していればカードローンの過剰与信が原因と考えられる

総量規制導入以後、20-30代の破産者数は年々減少傾向にありますが、もし次の調査報告で20-30代の破産者が増加に転じたとなると過剰与信が大きな要因となっていると判断することが出来ます。なぜなら、カードローンの顧客層で最もボリュームゾーンが大きいのが20-30代だからです。
年齢別自己破産と個人再生の選択傾向
次の調査でどのような数字が出てくるかは見当がつきませんが、20-50代の生産世代は個人再生を選択する傾向にあり(上図参照)、個人再生に関しては、3年前(平成26年)まで7年間減少傾向にありましたが、平成27年から増加傾向に転じています。そのため、20-30代の自己破産も今後増加に転じる可能性があります。

そうなると、消費者金融市場で過剰与信が行われていると判断されることになり、銀行にも何らかの規制がかけられる可能性が高くなります。

住宅ローン負担による破産


そしてもう一つ顕著な破産原因として挙げられるのが住宅ローン負担による破産です。昔から住宅ローンの返済に行き詰り破産するケースは一定割合存在してきましたが、2008年以降住宅ローンが破産原因となった件数は増加しており、2014年調査では1997年以降で最大値を記録しています。

住宅ローンの貸出額自体は徐々に増加している程度で、過剰な貸出しが行われていることを統計上裏付けることは出来ません。しかし、住宅ローンの貸出し競争激化により、一部銀行やノンバンクでは物件価格のみならず諸費用も含めた全額ローンや、アルバイト等不安定な職業であっても住宅ローンの融資が行われていること、賃金が住宅ローンの貸出額のように増加しているわけではないことを踏まえると、住宅ローンにおいて過剰与信が行われていることは想像に難くありません。

一部地域の例外的な物件を除いて住宅の大部分は購入したその日から価値が値減りしていきます。特に上物は10年も経てば市場価値がないに等しい状態になります。そのため、十分な頭金を用意せずに無理なローンの組み方をしていると任意売却をしてもローンを完済することが出来ず、個人再生でも間に合わなくなり破産に至ります。

「破産=クレサラ(バンク)」だという先入観は実態を見誤る

以上の様に、信販会社や消費者金融といった貸金業者からの借入れが多重債務そして破産の原因だった1990年代後半から2000年代にかけてと近年とでは自己破産の原因も変化してきています。

自己破産者の負債額をまとめてみると、大きく二極化していることが分かります。

破産者の負債額

かつては負債額が300-400万の占める割合が住宅ローン型破産である1,000-5,000万の区分に次いで高かったのに対し、近年は少ない負債額でも破産に至るケースが増加傾向にあります。

300-400万という区分は私の経験上、浪費型破産が最も多い負債区分です。名目上「生活苦」としていてもカードの利用履歴を分析すると実態は浪費です。

借入先の内訳は、かつてはサラ金4社摘まんで200万クレジットカードのリボで100万といったところでした。今なら銀行カードローン200万100万、サラ50万30万、クレカリボ80といったところでしょうか。浪費型破産者の大多数は多重債務者でもあります。

しかし、300-400万円の占める割合は2008年を境に大幅に減少し、それよりも低い区分が急激に増加しています。


負債額100-200万円の層は2005年以降急増し高止まりが続いています。また、負債額が100万円未満の割合は2000年では1%だったのに対し2014年には6.61%にまで急増しています。

これは破産の原因がかつてのような浪費型多重債務の破産ではなくなってきているということの表れではないかと考えられます。

破産者の増加は銀行カードローンが原因ではないのか?

高齢者の破産者数の増加と住宅ローンが原因の破産についてとりあげましたが、それだけを以て銀行カードローンが破産者数増加の原因ではないと言うつもりはありません。先に指摘した通り、銀行カードローンにも問題があります。

高齢者の破産、住宅ローンの返済に行き詰っての破産のいずれにも、債務の一部に銀行・消費者金融問わずカードローンが含まれているはずです。生活苦や住宅ローンの返済が原因でカードローンを契約する人も少なくないからです。

しかし、カードローンを破産原因として問題視するのであれば破産件数ではなく「銀行が多重債務者を生産していないか」ということを問題にすべきです。

借金問題は多重債務であるか否かによってその後の救済の途も全くかわってきます。借入件数が少なければ業者側のリスクも相対的に小さくなるため任意整理などによるリスケジュールによって毎月の返済額の減額交渉もまとまりやすくなりますし、債務者側の月々の負担も小さくなります。任意整理を行うと利息をカットすることが出来るので破産に至る前に手を打つことが可能なのです。

銀行カードローンが破産増加の原因となっているかどうかは、先の金融庁による銀行カードローンの実態調査の結果が出るまでは分かりません。

銀行カードローンも総量規制?金融庁実態調査に着手。多重債務問題が再燃すれば規制もあり得ます。
By: Nori Norisa銀行の消費者ローン貸付残高が急増している。5年間で1・5倍超となり、2015年には消費者金融などの残高を抜いた。多重債務問題で消費者金融の貸...

全てをカードローンのせいにするのは"臭い物にフタ"

古今東西、金貸しを叩いておけばスカッとするのは世の常ですから、破産の原因をカードローンにしてしまうのは一見すると至極真っ当な見方のようにも見えますが、これまで長々と書いてきた通りもう少し深く掘り下げて分析する必要があります。

自己破産者の月収をグラフ化したものですが、自己破産者の大半が月収20万円未満です。月収20万円未満が占める割合は77.7%にのぼります。

収入減が大きな原因

自己破産者の年齢層で最も多いのが40代次いで50代、そして30代です。自己破産者の年齢構成は高齢者の破産が増加傾向にあるとはいえ、昔からあまり変わりません。

しかし、これは言い換えればこの年齢層で上記のような収入にある人が多いということでもあります。

穿った見方をすれば、実質賃金の減少や労働環境の悪化の隠れ蓑にカードローン問題を利用しているのではないかと思えなくもありません。

この月収は契約時ではなく破産申立時の収入の統計ですから、契約時は社会通念上問題のない契約であっても、その後の状況の変化で返済に行き詰ったとも考えられます。

かつてクレサラ問題が社会問題化した時と現在とでは破産者の属性が大きく違ってきています。クレジットカード会社やサラ金を銀行に置き換えて銀行カードローンを叩く論調が日増しに増えてきていますが、破産件数の増加を論じる時は低額での破産が増加してきているという理由をもう少ししっかりととらえる必要があります。

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