信用情報機関の情報保有期限
2016/11/11
信用情報機関に登録された情報は未来永劫残り続けると思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、信用情報機関に登録された情報は保有期限が決められており期限が過ぎた情報は自動的に削除されます。
以下に簡単にまとめてみましたが、取引情報とは、契約内容やその取引に関する情報のことで、CICでは「クレジット情報」、JICCでは「ファイルM」「ファイルD」という信用情報に相当するもののことです。
信用情報の保有期限は「契約終了」が条件
契約終了とは、「強制解約」や「利用停止」ではありません。強制解約や利用停止になっても契約自体は続いています。
契約終了となる条件
契約終了となるためには以下のいずれかの条件を満たしている必要があります。
- 債務の完済
- 利用者からの解約
- 契約期限による契約終了
- 移管終了
- 消滅時効の援用
- 破産免責
- 代位弁済
- 貸倒処理
少々難解な言葉も出てくるので簡単にまとめてみます。
債務の完済は借入を全額返済し終えることです。自動車ローンやショッピングローンのような分割払いの契約(個別信用購入・個品割賦)であれば元金と利息を返済し終わった時に契約終了となります。
利用者からの解約・契約期限による契約終了は、クレジットカードやカードローンのような契約期限内に極度額(利用限度額)の範囲内で利用できる契約(極度方式基本契約)を利用者が解約を申し入れて業者側が承諾した時、契約期限が切れて更新をしなかった時に契約終了となります。
ここで注意しておきたいのは、たとえ解約を申し入れたり契約期限に契約更新がない時でも、残債がある状態だと契約終了にならないという点です。例えば、リボ払いの残高のある状態でクレジットカードが有効期限切れとなり契約更新がなかったとしても、リボ払いを完済するまでは契約は残った状態となります。
移管終了とは、新しい別の契約に切り替えた時に元の契約を終了させることです。例えば、複数の契約を一つにまとめた時に元の契約は移管終了となり、一つにまとめた新たな契約の情報が信用情報機関には登録されます。この時、移管終了となった元の契約には契約が終了したわけですから、保有期限が付されます。
そのほか、A社からX社に債権(ローンの契約)が譲渡された時にもA社で登録された情報は移管終了となります。
「移管終了があると審査に通らない」と書いてあるサイトが時々ありますが、移管終了がすべて悪いわけではなく審査の際には必ず移管終了した契約につながる契約が登録されているかどうかを確認します。つながる契約がない場合は債権回収会社に譲渡されたのではないかと推測されるので、この場合は審査に悪影響を及ぼす可能性が高くなります。
消滅時効の援用は、消滅時効により債権が消滅し残債がゼロの状態になるため契約終了となります。信用情報機関には消滅時効の援用を登録出来ないため業者によって信用情報機関の情報への反映の仕方が異なる点に注意を要します。
■ 詳細は「消滅時効の援用で信用情報機関にデタラメ情報が登録される理由」をご覧ください。
破産免責は破産の申し立てをして裁判所が免責の決定をした時に債権が消滅し契約終了となります。時々業者側に免責の通知が届いていなかったりする等の事務手続き上の不備により免責の情報が信用情報機関の情報に反映されていない時がありますので、お心当たりのある方は情報を開示して確認しておくことをおすすめします。
代位弁済とは、滞納が続いたとき保証会社が利用者に代わって元金と利息の支払いをすることで名目上契約終了となります。しかし、契約が終了したとしても保証契約も信用情報機関に登録されているので保証会社への返済を済ませない限り滞納の事実そのものが信用情報から消えるわけではないので注意が必要です。
貸倒とは、債権者(業者)が回収の見込みがないとして貸倒処理をすると契約解除となり契約が終了します。
滞納を続けていても契約存続中です
滞納をするとクレジットカードやカードローンは利用停止となり新たな借入は出来なくなります。しかし、だからといって契約が終了したというわけではありません。そのため契約を終了させない限り半永久的に信用情報には滞納の記録が積みあがっていくことになります。
信用情報機関別の情報保有期限
KSC
申込情報…申込み日から1年間
利用情報…加盟会員がアクセスした日から1年間
取引情報…契約期間中、契約終了後5年以内
官報情報…破産手続開始決定等から10年以内
CIC
申込情報…申込みの日から6ヶ月
利用情報…加盟会員がアクセスした日から6ヶ月
取引情報…契約期間中、契約終了後5年以内
JICC
申込情報…申込みの日から6ヶ月
利用情報…加盟会員がアクセスした日から6ヶ月
JICCの取引情報に関してはさらに細かい区分があります。
・入金日や完済日
…契約継続中、完済日から5年以内
・延滞情報
…延滞継続中、延滞解消の場合解消の日から1年以内
・債権回収、債務整理、保証履行、強制解約、破産申立、債権譲渡など
…当該事実発生日から5年以内
簡単にまとめると、契約情報は契約継続中はずっと情報が保有され、契約が終わっても5年を超えない期間記録されているということです。
自己破産の情報はいつまで信用情報機関に残るか
KSCの場合、自己破産は官報情報になりますので最長10年間その情報が残ります。
CICやJICCの場合、契約に関する債権を破産対象債権として破産の申し立てがあった時点で加盟会員(業者)が破産を原因として契約終了の登録を行います。
CICでは取引情報の保有期限が5年以内、JICCでも破産申立情報の保有期限は5年以内となっていますのでこの2機関の場合、「破産情報は最長5年間」記録されることになります。
ここで注意したいのがKSCの官報情報です。
破産や個人再生は官報情報に該当しますので、破産債権として裁判所に提出した債権者(カード会社や消費者金融等の業者)がKSCに加盟していなくてもKSCの信用情報には官報情報として自己破産の事実が記録されてしまいます。
「5年経ってもCRIN経由で破産情報が共有されているのではないか」とご懸念の方もいらっしゃるでしょうが、官報情報はCRINの交流情報ではありませんのでKSCに加盟していない業者が信用情報機関を通じて破産の登録を照会することはできなくなります。
* 交流情報に関して詳しくは「信用情報共有の範囲CRINとFINE」をご覧ください。
10年というのはあくまでもKSCが定める期限であってそれよりも前に破産に関する情報が削除されることもあります。
■詳細は「信用情報は保有期限まで消えないのか」をご覧ください。
延滞の情報はいつまで信用情報機関に残るか
CICでは短期の延滞は入金状況が更新されれば24ヶ月で消えますが、CICでは特に長期の延滞を「異動」として区別しています。CICでは一度異動がつくと支払いをするなどして延滞を解消したとしても契約しているカード会社等の加盟会員が情報を修正しない限り異動があった事実が消えることはありません。
完済するなどして異動という表示が消えたとしても「延滞解消日」という項目に完済、あるいは延滞がなくなった日付が登録されるため過去に異動があったことをうかがい知ることが出来ます。異動情報が消えるのは契約情報自体の情報保有期限である「契約終了後5年以内の期間」です。つまり、CICに契約情報が残っている限りは異動または異動があった事実も記録されるということになります。
JICCの場合は長期の延滞であっても、延滞を解消した日から1年を超えない期間で情報が消去されます。
異動(長期延滞)の扱いは信用情報機関によって扱いが異なることに注意を要します。
携帯電話割賦の延滞はいつまで残るのか
時々質問が寄せられるため独立した項目としてここに書き足しておきます。
まず、「割賦契約の支払い」と「通話料金・通信料金」の扱いは異なります。
このうち信用情報機関に登録されるのは「割賦契約の支払い」です。
通話料金や通信料金だけの滞納未納であれば信用情報機関に登録されることはありません。
端末代金の分割をしているかどうかわからない方は、請求書の明細に端末代金の請求があるかどうかを確認してみてください。
もし料金未納で強制解約になった場合、端末代金の分割が残っている場合はその分割の支払いが終わるまで信用情報機関(ドコモとauはCICのみ、ソフトバンクはCICとJICCの両方)の契約情報は更新し続けられます。これは携帯割賦契約に限らず、他のショッピングローンやクレジットカードも同じです。
端末代金を返済していない場合はずっと未入金の記号であるAが登録され続けますのでクレジットカードを契約したり、新たなローンを組むことが困難になります。
強制解約後に端末代金の残債を一括で支払った場合
端末代金の残額を一括で返済した場合は一括で支払った日が契約終了日となりますので、契約終了が登録されてから最長で5年間その情報が登録されます。
この場合、CICの信用情報には滞納していた月は未入金を示す「A」が登録され一括返済した月に「$」が登録され契約終了となります。
一括返済をした場合、CICの契約情報そのものが1-2ヶ月以内に削除されていたという事例もありましたので、必ずしもCICの情報保有期限まで登録されているというわけではないようです。
強制解約後に分割で端末代金の残債を支払っている場合
端末代金を分割で支払っている場合、滞納していた月には未入金を示す「A」が登録され、入金があった月には正常入金である「$」が登録されます。
場合によっては、以前の契約を「移管終了」で一旦終了して、強制解約後の残債返済については新たな契約として登録しなおすこともあります。毎月の返済額に変更があった場合には契約変更として登録しなおしているようです。
この場合、強制解約される前の契約は強制解約となった日付前後が契約終了日となり、そこから最長で5年間CICに登録され、強制解約後の契約については支払いが終わってから最長で5年間CICに登録されます。
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