カードローンことはじめ

カードローンをお探しの方も、もっと知りたい方も。

雑記

従来のクレジットスコアリング審査から行動態様分析の審査へ

2017/01/10

面白いニュースがあったので取り上げてみたいと思います(長文です)。

AI広がる活用 顧客に最適金融商品提供 三井住友銀、投資行動を分析へ

 三井住友銀行が、人工知能(AI)を使って顧客ごとに最適な金融商品を提供していけるよう、顧客の投資行動パターンを脳科学を使ってあらかじめ分析する作業を始めることが11日、分かった。包括契約したNTTデータと研究を行い、分析に向けたデータ取得を10月にも始める。

 これまで取り扱ってきた住宅ローンや投資信託などの金融商品は、新商品が出るたびに顧客にパンフレットを配るなどして勧めてきた。今回の研究が実用化できれば、AIを使って顧客一人一人の関心が高い投資分野を事前に絞った上で提案ができるようになり、効率性が格段に上がるという。

AI広がる活用 顧客に最適金融商品提供 三井住友銀、投資行動を分析へ(産経新聞 6月12日(日)7時55分配信・元記事リンク切れ)

このニュースでは投資商品の提案シーンでAIを活用するというものですが、カードローンやクレジットカード等の個人向け無担保融資商品の審査においても従来の審査手法に加えてAI等の新技術を活用する動きが出始めています。

現在の審査手法の特徴

従来のというよりは、現在の審査手法は申込者の収入や借入額といった客観的な数字に基づくデータで審査の可否を決定するものです。

この審査手法はかつての「人物審査」と呼ばれるような融資担当者が申込者と対面して話をしていく中で審査の可否を決定する審査手法と比べると、統一的な基準の元で融資担当者が誰であっても正確にその上早く審査を行えるようになったという点では画期的でしたが、数字に表れない部分に関しては全く審査に取り入れられないという欠点があります。

数字に表れない部分も審査に取り入れることによってより正確で緻密な与信審査を行うためにAIなどの新技術を活用しようというわけですが、その前に現在の審査手法について触れておきたいと思います。

現在の個人向け無担保融資の審査システムを作り上げたプロミス

クレジットカードやカードローンを申込んだ際には必ず行われる「機械審査」という審査プロセスがあります。クレジットカードやカードローンなどの個人向け融資の場面では使われていないとろこはないと言っていいほど広く普及採用されている現在の審査手法です。

この機械審査のおかげで審査スピードが向上し多数の申込みを処理することが可能となりました。今日では申込みから審査まで全てオンラインで行うことにより申込用紙を郵送して審査に1-2週間かかっていた時代からすると考えられないスピードで審査の可否を判定しています。

特にクレジットカードの分野では、Yahoo! JAPANカードや楽天カードのような審査スピードをセールスポイントの一つとしているブランドでは申込みを送信するとすぐに審査結果がメールで送られてくるという速さです(※最短の場合)。私が申込んでみた時は送信と同時に審査通過のお知らせというメールが着て本当に審査しているのかと疑いたくなったくらいです。

参考リンク
>> Yahoo! JAPANカード公式サイト
>> 楽天カード公式サイト

この機械審査で現在使われている審査手法が、申込者の属性を数値化してその点数によって審査の可否を判定する「クレジットスコアリング」と呼ばれる手法です。1950年代にアメリカで開発されたこの審査手法を元に自動審査システムを日本で最初に作り上げたのが消費者金融大手のプロミス(現・SMBCコンシューマーファイナンス)です。

プロミスの開発した審査システムは、顧客データを年齢や職業といった本人属性・地域性・借入件数を基準に分類し契約後の利用状況や返済状況を調査しモデル化した上で、申込者に最も近いモデル像を元に与信枠の設定を行うというものです(具体的な融資額決定は各支店長等の役職者の決済による)。

この審査システムが開発されたことで日本における個人向け無担保融資分野拡大の原動力となりました。

プロミス審査モデルの特徴

ここではこのプロミスが作り上げた審査手法のことをプロミス審査モデルと呼ぶとします。誤解の無いようにお断りしておきますが、審査内容や基準については各社公開しておりませんので現在プロミスがこのような審査を行っていると公表するものでも、断定するものでもありません。あくまでも「審査モデル」の話です。

プロミス審査モデルの最大の特徴は、過去の顧客データからモデル化されたモデル像の返済能力の部分に焦点を当てた審査を行うところにあります。

収入は申込みの際に自己申告もしますが、過去のデータから導き出されたモデル像の収入と比較して乖離が激しい場合(通常申告収入の方が多い)はモデル像の収入を当てはめて審査を行います。

そしてそのモデルが過去に借り入れた額と、借入額ごとに返済に行き詰ったパターンを分析することでデフォルトリスクを算出して契約の可否判定と与信枠の設定を行います。

「似た属性であれば家計の収支も返済能力も似たようなものになるだろう」という統計的経験則に基づくリスク評価手法です。

プロミス審査モデルは個人向け無担保ローンの審査モデルとしては、情報の蓄積の面からみても判定の正確性という面からみても一つの完成形態といってもいいでしょう。

資金調達力とブランド力に勝る銀行が個人向け無担保ローンの分野でいまだに消費者金融会社に太刀打ちできないのは、プロミス審査モデルのような情報の蓄積による正確かつ迅速に審査を行える審査モデルを構築できていないことが最大の原因です。

冒頭、「数字に表れない部分に関しては全く審査に取り入れられないという欠点がある」と書きましたが、数字に表れない部分を審査に取り入れる必要性があるのかというと、取り入れなくてもやっていけるわけですから必要性はないとも言えます。

それでも数字に表れない部分を取り込む必要性が出てきた

現在の機械審査では一定ライン以下の部分は審査でふるい落としています。許容できるリスクに対して期待できる利益があげられないと判定するからです。どれだけのリスクが許容できるかは、その業者の資金調達力や貸出し余力も大きく関係しています。

アメリカではリーマンショックを契機に貸出し余力が低下した業者が現在の審査モデルで審査基準をそのまま厳格化する方向にスライドさせたところ、思いのほかふるい落としてしまう申込み者や顧客が発生し想定以上の減収減益に見舞われる業者が相次ぎ、市場規模そのものが急激に縮小する事態に陥りました。日本においても貸金業法改正を契機に同じことが起こっています。

アメリカの場合

アメリカではリーマンショックの後、経営危機に陥った多くの金融機関で個人向け融資のハードルが極端に高くなり「クレジット難民」と言われる人々が多数発生しました。クレジット難民の中には破産や延滞により新たなローンを組めなくなった人も含まれますが、中にはきちんと期日までに返済を行い貸し手側からすると特に問題のないと思われる人も相当数含まれています。

「問題があるからクレジット難民になるんだ」という方もいらっしゃるかもしれませんが、問題があるとすれば借入額と収入の面、つまり従来型の審査モデルで審査する部分において問題があると判定され、審査基準が厳しくなった結果クレジット市場から締め出されてしまったに過ぎません。

日本の場合

日本においてもアメリカと同じ問題が発生しました。日本の場合は総量規制の導入とグレーゾーン金利撤廃です。総量規制は貸金業者からの借入限度額を年収の三分の一に抑えるというもので、これにより収入により借入額の上限が自動的に決められることとなりました。そしてグレーゾーン金利撤廃では上限金利の引き下げで消費者金融会社が従来よりもリスクをとれなくなったことに加えて、過払い金返還請求訴訟による返還債務負担で事業縮小と審査基準の厳格化が起こりました。

一連の制度変更でどのくらいの影響があったのかというと、総量規制導入前に60-70%あった大手消費者金融会社の新規申込み成約率が総量規制導入直後には30%台前半にまで落ち込みました(出展:各社の月次報告書)。

アメリカ、日本どちらにおいても「返済する」という面においては問題の無かった人が市場から締め出される格好となってしまったことで、返済していける資金需要者をどのように取り込んでいくかという課題が生じました。

返済能力以外のどんな要素を審査するのか

アメリカにおいても日本においても、返済能力という部分に焦点を当てた審査が行われています。

近年ビッグデータの活用ということが言われていますが、個人向け無担保ローン分野でもビッグデータの活用は既に始まっています。

ビッグデータとは従来把握しきれなかった情報を指す言葉で、個人向け無担保ローンで言えば、申込み書に記入した本人属性情報と自社あるいは信用情報機関に登録された信用情報以外の情報にあたります。

アメリカではリーマンショック後の信用収縮を経て、返済能力以外の部分にビッグデータからアプローチをすることで、従来の審査手法では締め出されてう資金需要者の開拓に成功している新興金融業者が出てきました。

行動態様を審査に取り入れる

zen

GoogleのCIOでエンジニアだった、ダグラス・メリルが設立したZestFinanceでは、これまで重視されてきた返済能力よりも「返済意思」を重視した審査モデルを開発し、銀行のカードローン市場から締め出された層の一部にアプローチをすることに成功しています。

アメリカの場合、銀行が日本の消費者金融会社の役割も担っており、ZestFinanceはそれよりもさらにリスクの高い層を相手にする「Payday Loans」と呼ばれる短期小口融資を専門とする企業です。

返済意思の審査はZestFinanceのローンサイトにアクセスした時点で始まっています。

サイトにアクセスしてすぐにローンの申込みを行った場合は低評価、逆に商品説明や利用条件のページの滞在時間が長く何度もこれらのページを閲覧した履歴があれば、それだけ慎重に借入の判断をしていると判定し高評価となります。インターネットを介した行動分析をする辺りはさすがGoogle出身者というべきでしょう。

そのほか、信用情報には無関係の携帯電話や公共料金の支払い状況も審査することで申込者の返済期日への意識を評価したり、『ZestFinanceの審査攻略法』という掲示板トピックによれば、「iPhoneで申込んだら審査に落ちたがワゴン売りの安物で申込んだら審査に通った。使っているスマートフォンで浪費癖を測定している」なんて話も出てきます。

ZestFinanceの返済意思評価は従来の返済能力では拾いきれなかった、その人の性格や行動態様を評価基準に取り入れることでより緻密なリスク評価を行うことを実現したモデルだといえます。実際、破産をはじめとする債務不履行に陥る人の特徴は収入の多寡よりもその人の性格によるところが大きく、たとえ収入が多くてもその分浪費による支出が多ければ何かのきっかけであっさりと返済に行き詰ります。

ZestFinance以外の新興企業で行動態様を数値モデル化した事例をいくつか取り上げてみると、

  • 携帯ゲームに興じる時間評価(時間が長いほどリスクが高い)
  • 携帯GPSを活用した夜間外出や外食などの頻度評価(多いほどリスクが高い)
  • アダルトサイトへのアクセス頻度評価(回数時間が長いほどリスクが高い)
  • 検索履歴による行動評価(検索語句や語句ごとの回数によりリスク評価を行う)
  • ECサイトからの購買行動評価

行動態様の分析をさらに詳細に行うためにSNSを活用する企業もあります。それについて簡単にみていきたいと思います。


SNS利用状況からみる性格分析と行動評価

ビッグデータのうち、本人と紐付けされたSNSへの投稿や交友関係から与信を行う試みも既に始まっています。

このような企業では、顧客や申込み者のSNSやECサイトのアカウントと自社アプリケーションをID連携機能で連携させ、顧客や申込者のSNSでの投稿や交友関係を分析することで性格や行動態様を割り出し、収入や借入といった従来の審査モデルとあわせて審査材料にしています。

SNSで分析対象としている項目を抜粋してみると以下のようなものがあります。

  • 私的なSNSの更新頻度(多いほどリスクが高い)
  • 趣味や嗜好(支出性向の評価)
  • 私生活をよくみせようとしている(信憑性の評価)
  • 交友関係の広さ(多いほど信用度が高い)
  • ネガティブな発言とポジティブな発言の比率
  • 正しいスペルで文章が書かれているかどうか
  • 略語(for you=4u等)やスラングの使用頻度

「掃除ができる人・できない人」「貯金ができる人・できない人」などのように人間の性格思考には一定の規則性がありパターン化することが可能であるという前提のもとにSNSを活用していこうというわけです。SNSの評価項目と評価の仕方を見ると私個人としては本当にこれが与信モデルとして機能し得るのかどうか疑問に思うところも多々ありますが、統計をとってみると概ね返済態度とこれらの項目に相関関係がみられるらしいので組み合わせによっては使い物になるのでしょう。

現時点でSNSの活用を考えるとすると、交友リストを押さえることが出来れば審査で利用するよりも回収の場面で利用した方がより実効性の高い効果があげられると思いますが、さすがにそこまで外道じみたことはやっていないようです。

もっとも、これらの審査手法についてはプライバシーの問題を多分にはらんでいるため社会的批判が根強く存在します。特にPayday Loanという超高利貸しがこのような審査を行っていることで一部の人たちの神経を逆撫でしているきらいがあります。

しかし従来型の審査手法に返済意思やその人の行動態様という人物評価の客観的基準を加えることで評価モデルをより緻密に細分化することが可能となります。その結果、精度の高いリスク評価が実現すれば貸出金利引き下げによる競争力強化につなげることができるというメリットがあります。

そのため、新興Payday Loan業者による高リスク資金需要者層からの顧客開拓にとどまらず、今後は現在でも問題なく融資を受けられる層をターゲットにした商品でもこのような審査手法のオプション的導入が進んでいくことは間違いないでしょう。

AI化は街金の人物評価の数値モデル化

ビッグデータの活用やAIによる新評価モデルの記事を読んでいていつも思うのは、これって要は街金の審査手法そのものじゃないかということです。

街金とは零細の貸金業者のことで、貸金業法改正で死滅しつつありますが、駅前のサラ金ビル周辺の雑居ビルにコバンザメのようにくっついていることが多いです。

「独自審査」「あたなの誠意を審査します」などとうたっているところも多く、大手消費者金融の審査に落ちた層はたいていこれらの街金の世話になることになります。利便性に劣る街金は大手よりもよりリスクの高い層もターゲットにする必要があるため、収入や借入などの大手が重視する項目よりも、その人物の雰囲気、服装、言葉遣いはもとより話の組み立て方や口調、目の動き、とあらゆる角度からその人物を観察調査して返済してくれるかどうかを審査していきます。これは一種の職人芸です。

以前、融資先の街金にATMを導入するための融資話を持っていったときのことです。ATMの導入はあっさり断られてしまいましたが、その理由がいかにも街金らしくて印象に残っています。

街金の経営者は「機械で金貸してたら返ってこんくなるけん。ちゃんと封に入れて、両手で手渡して店でるとこまで見とかんといかんよ」とにこにこ笑って、提案書を丁寧に返してきました。その経営者がいつも言っていたのは、店に入ってくるところ2割、話の中5割、店から出るところ3割で人物評価をしているということです。

これって前出のZest Financeが自社サイトにアクセスしてきた時の行動から評価を始めているのと全く同じです。小難しいアルゴリズムを組むよりも、場末のリテール戦士街金たちをかき集めてこれば案外簡単に人物評価や行動態様評価の新モデルが出来上がるのかもしれません。

貸金業法改正とグレーゾーン金利撤廃でこれまでにない逆風に晒されている貸金業界ですが、今後はこれまですみ分けていた銀行との競争もますます激しくなっていくことになります。保証業務をメインに据えた保証会社化で生き残る消費者金融もあるでしょうが、カードローンのスピード審査や自動契約機等銀行では実現できなかったサービスを提供できたのは消費者金融会社があったればこそです。だからこそ、一連の制度改正で市場から事実上締め出しを食らった約6割の資金需要者を再評価出来る審査モデルを消費者金融業界自ら構築して再び市場の再活性化につなげてほしいと願ってやみません。

-雑記

あわせて読みたい

1
プロミスにネットから申込みをしてWeb契約してみた時の流れを完全解説!

プロミス 土日祝日審査対応。当日審査21時まで。 土日祝21時まで即日借入れ可能 ...

予算10万円の海外旅行 2
今日中にお金を借りる時の注意点と契約の流れ。夕方過ぎでも間に合います。

1 今日中にお金を借りられるところ2 今日中にお金を借りたい時に、まずは用意して ...

3
躍進!楽天銀行のカードローン。積極営業で会員数・貸出残高4年で倍増。人気の秘密・評判は?

世間一般では楽天銀行と聞いても「あの楽天がやってる銀行でしょ」くらいの知名度しか ...

4
最初に作っておくべきクレジットカード3選。契約しやすくて使いやすいおすすめカード。

クレジットカードを作るには審査があります。 審査と聞くとハードルが高そうだと思わ ...

5
クレジットカード不要の格安SIMあります。iPhoneにもXperiaにも対応で年間5万円の節約!

最近徐々に浸透してきた格安SIMと呼ばれるサービスがあります。かつては安かろう悪 ...