"言えまっか ヤミ金サラ金 その違い" - 消費者金融・貸金業者とヤミ金が混同されすぎという話。
2017/01/22

By: yoppy
消費者金融とサラ金は同じですが、ヤミ金とは違います
消費者金融は正式には「貸金業者」といいます。
貸金業者の中にはオリコやジャックス、セディナといった信販会社や、三井住友カードやJCB等のクレジットカード会社も含まれています。さらには個人向けの業者のみならず、事業者向けの金融会社も貸金業者のカテゴリに含まれます。ざっくり言うと、預金を取り扱わない金貸し(ノンバンク)が貸金業者です。
貸金業者の中でも個人向けの融資に特化、あるいは事業の中核としている会社のことを消費者金融と呼んでいます。
消費者金融という呼び方は1980年代から90年代にかけて浸透してきました。それ以前は「サラ金」と呼ばれていました。サラリーマンが主に利用することからサラリーマン金融、略してサラ金です。
サラ金という呼び方が出てくるさらに前、1960年代以前は「団地金融」「勤人金融(つとめびときんゆう)」と呼ばれていました。勤人金融という呼び方は戦後間もない頃のにおいが漂う呼び方ですが、勤め人がサラリーマンと呼ばれるようになったのに合わせるようにサラ金と変わっていきました。勤人金融なんて言葉は今ではすっかり死語。知っている人の方が少ないでしょう。
消費者金融という呼び方にかわった背景には、会社経営者や個人事業主・主婦・学生も利用するから、サラ金ではイメージが悪いから等様々な理由が挙げられていますが、新聞記事やニュースでは消費者金融という表現で統一されています。
個人向け貸金業者の昔の呼び方が「サラ金」、今の呼び方が「消費者金融」というわけです。そしてさらに、今も昔も特定の地域だけで営業しているような零細の消費者金融のことを特に「街金(まちきん)」と呼んでいます。
サラ金は合法ですが、ヤミ金は非合法。
サラ金という表現は消費者金融を悪者として扱う時にしばしば用いられます。
そのため「サラ金=違法業者」と思われがちですが、サラ金と消費者金融は同じものです。従ってサラ金=違法業者ではありません。
違法業者はヤミ金と呼ばれるものです。
そもそも、ヤミ金は貸金業者ではありません。
貸金業者を名乗るためには都道府県や財務省の出先機関である財務局に登録をしなければなりません。また、貸金業者には利息制限法や貸金業法をはじめとする関係法令に沿った営業を行う義務があります。
ヤミ金は貸金業登録もしていなければ、関係法令を守った営業もしていません。
年率1000%を超えるような暴利をとったり、脅迫や場合によっては実力行使による取立てを行う、映画やテレビドラマに出てくる借金取りそのもの。それがヤミ金です。
簡単にまとめてみると以下のようになります。
- 貸金業者・・・消費者金融、信販会社、カード会社等の総称。
- 消費者金融・・・個人向けの融資を行う貸金業者。
- サラ金・・・消費者金融の昔の俗称。
- 街金・・・零細の消費者金融業者。
- ヤミ金・・・違法な金貸し。
街金の中にはヤミ金スレスレのことをやっている連中はいる
一口に消費者金融といってもアコム、プロミス、アイフルのような大手から、駅前の裏路地にあるビルで営業している零細業者までさまざまな業者が存在しています。
注意しておきたいのは、零細業者である「街金」の中にはヤミ金スレスレの営業をしているところがあるということです。
罰則の強化や貸出し規制が盛り込まれた貸金業法が改正され完全に施行された2006年から2010年の間にヤミ金スレスレの業者のほとんどは廃業に追い込まれましたが、それでもまだしぶとく残っています。
聞いたこともないような業者は利用しないというのも、ヤミ金被害から身を守る一つの手です。
消費者金融は厳格なルールのもとに営業しています
消費者金融はビジネスとしてお金を貸している会社です。
クレジットカードのキャッシング機能だけを取り出して営業している会社とイメージをすれば分かりやすいかもしれません。
「消費者金融=危険」というイメージはヤミ金や、2000年代までに廃業した違法行為もしくは違法スレスレの行為を行っていた街金によって作り出されたものです。先ほど書いた通りそんな業者が今でも一部残っているにはいます。そういう業者を避ければ決して危ないことはありません。
論より証拠というわけで、下の表は貸金業者の行政処分件数の推移です。
近年、悪質業者の取り締まりと貸金業法改正により業界の浄化が一気に進みました。
平成17年と平成26年を比較すると、処分件数1,596件が12件にまで激減しています。
昔の悪いイメージが今でも付きまとっている消費者金融業界ですが、まっとうな消費者金融を利用すればその筋の人が取り立てにやってきたり、マグロ漁船に放り込まれたり夜の店に沈められるといったフィクションの世界で描かれるようなことはまずありません。というか、あり得ません(笑)。
銀行、信販、保険、証券などをひっくるめて「金融業」といいますが、金融業界の中でここ10年で業界の景色が最も変わったのが消費者金融業界です。
消費者金融は危なくも何ともないですが、ヤミ金は違います。
ところが、ヤミ金だとフィクションの世界で描かれるようなことが起こらないとも限りません。法律の外の世界で営業している連中ですから、規制も何もあったものではありません。
ヤミ金は表立って営業しているわけではありません。
最初は甘い言葉で近づいてきます。親身になって相談に乗ってくれていると錯覚する人もいるほどです。ヤミ金はターゲットから信用を得てから牙をむきます。
ネット上でも獲物を探しています。しかし、いくらお金に困っているからといってヤミ金を利用してはいけません。自ら犯罪者の罠に飛び込んでいくだけです。
こんなにも違う、消費者金融とヤミ金
テレビドラマや映画、漫画の世界に登場する金貸しはどういうわけかヤミ金です。
現実世界の消費者金融のような会社が登場しても面白くも何ともないからヤミ金で描くのでしょうが、消費者金融とヤミ金はこんなにも違います。
消費者金融 | ヤミ金 | |
営業要件 | 都道府県または財務局に登録が必要 | 逮捕される覚悟 |
登録要件 | 総資産5000万円など | 特になし |
正式名称 | 貸金業者 | 犯罪者 |
利息の上限 | 利息制限法・出資法 | 無制限 |
貸出限度額 | 原則年収の1/3まで | 基本少額。利息繰入で膨大に。 |
貸出し時の対応 | 事務的 | 恩着せがましいか、ものすごくいい人 |
滞納時の対応 |
電話や郵便による連絡。 電話着信は1日3回迄。 20時以降の連絡は禁止。 本人以外への取立て禁止。 |
無制限の電話と手紙と貼り紙。 自宅や勤務先で待ち伏せ。 家族・親族・勤務先等に乗り込む。 夜討ち朝駆けを特に好む。 |
取立てる人 | 会社員 | ちんぴら |
返済義務 | 債務整理をしない限り元本と利息 | 元本・利息ともに返さなくてもよい |
返済に行き詰った時 | 裁判など合法的な手段で事務的に処理 |
裁判以外のあらゆる手段を行使。 自身が非合法な存在であるため 表立って裁判所を使えない。 |
返済不能になった時 | 債務整理をすればOK | 何をするか分からない |
消費者金融の金利は利息制限法の範囲内で決められています。
利息制限法では元本が10万円未満なら年20%以下、10万超100万未満なら年18%以下、100万超で15%以下となっています。
提携ATMの利用手数料等法律で認められたものを除いて、手数料名目で利息以外の費用をとることも出来ません。
また、返済期日に遅れた時の対応も法令で定められています。電話連絡をする対象はもちろんのこと、電話をする回数まで決められています。
「滞納すると1日中電話が鳴り続ける」と思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。
消費者金融の滞納時の取立てに関しては以下にもまとめています。
一方、ヤミ金は何でもありです。法律も規則も関係なしです。
1,400万人が利用している貸金業者。危なければこんなに利用されません。
金融庁の調査によると、2006年以前の時点で1,400万人が貸金業者を利用しています(出展:金融庁「貸金業法の改正について」)。
貸金業者の中には信販会社やカード会社含まれるので全てが消費者金融の顧客というわけではありませんが、それでも1,400万人が何らかの形でキャッシングを利用しているということになります。
消費者金融大手3社に限ってみても貸出し件数は300万件を超えています。「そんなにいるの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、世間一般多くの人が同じ印象をもつはずです。私も初めてこの数字を見た時はそう思いました。
以下の表は2016年3月時点での消費者金融大手3社の貸出総額と貸出し件数をまとめたものです。
貸付残高 | 貸出し件数 | |
アコム | 7,949億円 | 140万9000件 |
プロミス | 7,300億円 | 129万2000件 |
アイフル | 3,743億円 | 66万4000件 |
大手消費者金融の1ヶ月当たりの新規申し込み件数はアコムやプロミスで3万件から4万件ですから、各社1日あたりおよそ1,000件です。
仮に大手の消費者金融が違法な取立てをしたとなると、監督官庁である金融庁から業務停止等の命令が出され、その間貸出業務が行えなくなります。
大手の消費者金融が100万人のうち1人の取り立てのために1日1,000件の新規客をみすみす逃すのかというと、常識的に考えてそんな割に合わないことはしません。
過去の業務停止命令が出された行為を見ると、
- 債務者の妻に電話をして返済を迫った(2006年・アルファOMC)
- 債務者の依頼を見落として勤務先に電話をかけた(2006年・レイク)
契約者本人以外のところに電話をかけて返済を求めたという事例でも業務停止命令が出されています。こうしてみると取立てに関する規制は思いのほか厳しいことがお分かりいただけるかと思います。
返済さえしていれば電話も手紙も取立てもありません
消費者金融とヤミ金は全く別モノ、消費者金融だから取り立てが厳しいわけではないということを長々と書き連ねてきましたが、そもそも滞納をしなければ取立てはもちろん連絡すらありません。
うっかり返済日に入金をし忘れてしまうと、大手消費者金融ならメールで通知があるか携帯に電話がかかってきます。
電話といっても「ご入金の確認が取れておりませんので念のためご連絡差し上げました。」といわれるだけで、威圧的な対応をされるわけではありません。基本的に連絡がつきさえすれば、ハガキ等が送られてくることはありません。
滞納をするとハガキや封書がくるのはクレジットカードやショッピングローンと同じですが、消費者金融だからことさら頻繁に郵便物が届くということはありません。

消費者金融からの郵便物は業者名が書かれていませんので、見るからに「こいつ滞納してるぞ!」と分かるような色の封筒を使ったり、それらしい外見のハガキを送ってくる携帯電話会社の方がきついかもしれません(笑)。
消費者金融は怖いものではありませんが、ご利用は計画的に
消費者金融はお金が足りない時に免許証1枚で用立ててくれる便利なサービスです。しかし借金は借金。借りたものは返さなくてはいけません。
借り過ぎには注意です。万一返済に行き詰りそうになったら早めに弁護士や司法書士にご相談ください。
ちなみに、ヤミ金の場合は「違法原因給付」といって違法な契約なので契約自体が無効、そして、利息はもちろん元本も返済する義務はありません。
ここも貸金業者とヤミ金のちがいです。
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